野澤さんによる、市民科学についての論文紹介。
三澤勝衛や諏訪天文同好会の活動を再評価するために、「市民科学」の概念を使いたい。そのための勉強。
紹介論文は、
Bruno J. Strasser, et. al., ““Citizen Science”? Rethinking Science and Public Participation,” Science and Technology Studies 32, no. 2 (2019): 52-76.
pdfファイルを以下からダウンロードできます。
https://sciencetechnologystudies.journal.fi/article/view/60425
本論文は、広範に渉猟しつつ、歴史、可能性と課題について展望を与えている。歴史的事例の検討の意義についても触れられており、三澤たちの活動を調査する際にも参考になると考えられる。
———以下、陶山メモ———
市民の科学研究参加と市民の科学理解増進
⇒重ならない?
天文普及はこの文脈が多いか?
市民科学の類型
・権力のあり方(関係性)
・目的や環境による分類
・認識論的実践による分類(政治を前提にしない)
市民科学の先駆者
・アマチュア自然愛好家
・科学批判
僕らが知りたい文脈の市民科学では、
アマチュア自然愛好家は意味がある。
1970年代:科学者たちが決定した市民の義務や利益を擁護するもの
現代:プロの科学者ではなく、科学者のように活動する一般市民
「市民科学」に対する三つの期待
①科学を民主化する?
民主的でない科学とは?
知識のレベルを気にせず事の正否を占める。
②市民を科学で教育する?
科学教育や科学リテラシー向上に寄与する。
③新しい科学を生み出す
プロの科学者たちが重要だと認める問題解決を目指しているわけではない。
科学の領域に対する見方を変える可能性がある。
「市民科学」より「市民参加型研究」の方がいい言葉?
「参加型研究」は、「市民科学」より歴史が古い。