11月に開催予定の諏訪天文同好会百周年について話し合い。どのテーマでやるか、誰に講師を頼むか、などについて話し合いました。
投稿者アーカイブ: 陶山
第37回天文文化研究会(2022年5月14日)
資料のデジタルアーカイブスとボランティア活動について議論。三澤文庫は貴重な資料を多く所蔵していて重要。各地の学校や図書館にも貴重な資料があると思われる。
第36回天文文化研究会(2022年4月15日)
大西拓一郎さんから市民科学プロジェクトの紹介。
小口さんから三澤勝衛の位置づけや地理学の近代史についてコメントあり。
第35回天文文化研究会(2022年3月25日)
陶山から「博物館から見た市民科学」について話題提供。今後、どうやって市民科学プロジェクトを進めていくか議論。
第34回天文文化研究会(2022年3月11日)
来年度(2022年度)4月からの活動計画について議論。講演会や研究会、巡回展の準備を進めていく。
太陽観測についてみんなで理解を深めていく必要がある。
様々な資料のデータアーカイブも大事。
第33回天文文化研究会(2022年2月18日)
大西浩次さんが
「三澤勝衛著作集 風土の発見と創造」中の
「太陽系時代の生き方と風土の教育」について紹介。
三澤のいう「風土」は、今でいう地学(気象や地質の複合)。また、三澤は、太陽と気候の関係性に強い関心があったと思われる。
三澤はブリュックナー周期について知っていた。
ブリュックナー周期:気候は平均して35年周期で変動する。
この35年がブリュックナー周期。太陽活動変動周期11年の3倍程度。太陽活動と関係があるといわれている。
1923年頃、ブリュックナーが発見。
第32回天文文化研究会(2022年1月28日)
〇活動進捗
・太陽黒点観測スケッチデータ整理の進捗
きらきら岩田さんのおかげで、
田中静人さんの太陽黒点スケッチのチェックが
終了。
クロスチェック必要。
・諏訪天百周年企画展準備(資料調査、借用交渉など)
渡辺と陶山で準備。
展示内容は、志賀高原ロマン美術館の展示が参考になるかも。
最先端のサイエンスと結びついている装置を展示したい。
科学館的な楽しめる展示をしたい。
第31回天文文化研究会(2021年12月28日)
近況報告+忘年会。
諏訪清稜高校三澤文庫の資料は貴重。諏訪天文同好会に関連したものもあるみたい。
第30回天文文化研究会案内(2021年11月26日)
長野県内の同好会の歴史について。
11月13日に行った宇宙県合同ミーティングの前に、
長野県内の同好会に、会の歴史に関するアンケートに答えてもらいました。
この回答結果の概要について紹介。
—–以下、陶山メモ——
〇各同好会の歴史報告と議論
・アマ天研究会の存在
・松本星の会も大事そう。
・流星ネットワークの存在
〇浮かんだ疑問
・観察会が発足の契機となった同好会が多いが、当時の観察会はどんな形態だったか。どういう風に依頼が来て、どのように実施していたか。
・70年代当時から同好会同士、天文家同士のつながりがあったみたいだが、どのようにしてつながっていたのか。天文現象がきっかけ?
・普及と観測、どっちに力を入れていた?そういう意識はない。現在の同好会との違い。ライトな人が増えた?諏訪天のように「各人が観測を続けるのが条件で、一芸に秀でていなくては会に入れない」みたいなことはない?
〇個人に聞くのも大事
・今回は同好会に聞いたが、個人が誰に、何に影響を受けて、天文ファンになったか?観測を始めたか?同好会を始めたか?は知りたい。
・あとは、60~80年代の天文ファン同士のつながりがどんなものだったか。みんなで思い出話をするのもいいかも。
〇その他同好会の歴史関係で出た話題
・1965年、池谷関彗星の到来が大きかった。天文雑誌が刊行された。彗星探しと写真撮影がアマチュア天文家の中で盛り上がった。
・1972年、ジャコビニ流星群の観測が話題になった(不発だったけど…)。星空を守る会でライトダウンをお願いした。
・日本流星会議、木星会議など全国レベルの勉強会。山本一清さんが指導者。その後を継いだのは、多分、村山さん。大阪の長谷川一郎さんも指導者。
・1957年の国際地球観測年もきっかけの一つ。同年、ムーンウォッチ計画。諏訪は城南小学校に人工衛星観測所を設置して1960~64年に参加。
・ 畑さんの「信州の星空」から必要な情報を抜き取る。
・今回は同好会に聞いたが、個人が誰に、何に影響を受けて、天文ファンになったか?観測を始めたか?同好会を始めたか?は知りたい。
・あとは、60~80年代の天文ファン同士のつながりがどんなものだったか。みんなで思い出話をするのもいいかも。オンライン座談会(飲み会?)みたいなものをする?
・同好会のみなさん(なが天)に、同好会の歴史をまとめてもらう?諏訪天文同好会100周年へ向けた活動への同好会の関わり方の一つとして。
・諏訪天文同好会までたどれるといいけど、難しい?先生同士の同好会からたどれる?
・アマ天の参加者をたどる。長野県内の人物。
・個人を探っていく。活動の軸は、観察会or観測だったかも大事。
・時代が進むにつれて、プロとアマが分断されていく?公開天文台の設立は教育普及目的?50年代にできたものは、市民との距離が近い。札幌、富山、仙台など。天文同好会との結びつきが強い。80~90年代は、各地に観測に耐えうる大望遠鏡が設立された。田舎の観光目的。ふるさと創生を利用したものが多い。
・星を見て楽しむこと(観察会など)がいつ市民権を得たか?
・変光星観測などは、長い間、アマが活躍できた。
・同好会の歴史については百周年の時点でいったんまとめる。今、活動している人たち(なが天)からわかることを整理する。
・同好会の会員など(個人)に同好会を作る、または、参加した理由は何か?全国的な事?長野県ならではのこと?個人レベルでは、五味さんや青木さんとのつながりは結構ありそう。
・各同好会の歴史をまとめてもらう。天文現象がとっかかりになる。○○彗星とか、火星大接近とか…。誰かを呼んで講演会をしたとかエピソードも入れる。それぞれ違う形ができても気にせず、まずはつくってもらう。後ですり合わせをしながら、少しずつ更新していけばいい。何か形になる方が、協力するモチベーションが上がる。何か刊行する。「日本アマチュア天文史」、「信州の星空」の後の情報がまとまってないので、そこを整理する。信州の天文活動についてまとめる。
第29回天文文化研究会(2021年10月29日)
野澤さんによる、市民科学についての論文紹介。
三澤勝衛や諏訪天文同好会の活動を再評価するために、「市民科学」の概念を使いたい。そのための勉強。
紹介論文は、
Bruno J. Strasser, et. al., ““Citizen Science”? Rethinking Science and Public Participation,” Science and Technology Studies 32, no. 2 (2019): 52-76.
pdfファイルを以下からダウンロードできます。
https://sciencetechnologystudies.journal.fi/article/view/60425
本論文は、広範に渉猟しつつ、歴史、可能性と課題について展望を与えている。歴史的事例の検討の意義についても触れられており、三澤たちの活動を調査する際にも参考になると考えられる。
———以下、陶山メモ———
市民の科学研究参加と市民の科学理解増進
⇒重ならない?
天文普及はこの文脈が多いか?
市民科学の類型
・権力のあり方(関係性)
・目的や環境による分類
・認識論的実践による分類(政治を前提にしない)
市民科学の先駆者
・アマチュア自然愛好家
・科学批判
僕らが知りたい文脈の市民科学では、
アマチュア自然愛好家は意味がある。
1970年代:科学者たちが決定した市民の義務や利益を擁護するもの
現代:プロの科学者ではなく、科学者のように活動する一般市民
「市民科学」に対する三つの期待
①科学を民主化する?
民主的でない科学とは?
知識のレベルを気にせず事の正否を占める。
②市民を科学で教育する?
科学教育や科学リテラシー向上に寄与する。
③新しい科学を生み出す
プロの科学者たちが重要だと認める問題解決を目指しているわけではない。
科学の領域に対する見方を変える可能性がある。
「市民科学」より「市民参加型研究」の方がいい言葉?
「参加型研究」は、「市民科学」より歴史が古い。